大きな資金が必要な不動産投資に少額でチャレンジできる方法として不動産クラウドファンディングやReitがあります。ただいまいち違いがわかりにくいですよね?
本記事ではこれらの投資方法について、それぞれのメリット、デメリットを詳しく解説しています。
下の表に沿って説明していくので気になる箇所だけ読んでも理解できるかと思います。
評価項目 | J-Reit | 不動産クラウドファンディング |
必要資金 | 数万円から50万円以上 | 1万円 |
利回り | 0.5〜6.0%程度 | 3.0〜10%程度 |
値動き | 日々変動 | なし |
投資対象 | 各Reitに含まれる物件全て | 1つの物件 |
税制 | 申告分離課税 | 累進課税 |
流動性 | 高い | 基本低い |
元本割れリスク | 高い | 低い |
まとめ | 投資慣れが必要 | 初心者にも最適 |
各手法について学び、自分に最適な投資手法を見つけよう
少額から投資可能な不動産とは?
不動産投資は一般的に数千万円の資金を用意し、現物不動産を管理・保守する必要があります。動く金額が大きい為。なかなか手が出せない方も多いのではないのでしょうか?
一方、最近では十万円以下で不動産に投資ができる商品が多数存在します。その中でも、代表的なものがJ-Reitと不動産クラウドファンディングです。
J-Reit(リート)とは?
Reitとは不動産投資信託のことで投資家から集めた資金により多数の不動産の売買や運用を行い、得られた利益を投資家に配分する証券取引所に上場された商品です。中でも、日本のReitをJ-Reitと言います。
J-Reitには様々な種類があり、オフィスビルに特化したものからホテルなどの商業施設に特化したもの、物流施設に特化したものまで多岐に渡ります。例えば、大江戸温泉(3472)や星野リゾート(3287)など馴染みのあるReitも存在します。
各リートは方針に沿った不動産を運用していますが、ひとつの物件に投資している訳ではありません。数十の不動産が集まった詰め合わせパックと考えていただければわかりやすいかと思います。
最低取引価格は銘柄により異なりますが、安い銘柄は3〜4万円、高い銘柄は50万円以上となります。
不動産クラウドファンディングとは?
不動産クラウドファンディングもJ-Reitと同様に投資家から資金を調達して不動産を運営するのですが、不動産クラウドファンディングではひとつの物件を指定して投資を募ります。
詰め合わせパックでは中身が詳しく確認できませんが、不動産クラウドファンディングは対象が決まっているので物件を吟味して投資できるのが強みのひとつです。
また、最低取引価格が10,000円からと手が出しやすい設定になっています。
不動産クラウドファンディングについて詳しく知りたい場合はこちらの記事もご参照ください。
J-Reitとクラウドファンディングを徹底比較!
J-Reitと不動産クラウドファンディングが何かを理解した後は様々な面から2つを比較してみましょう。
各々メリットとデメリットがあるので特徴をしっかり理解しよう
利回りについて
利回りについて有利なのは不動産クラウドファンディングです。
どちらにも多岐にわたる銘柄があるため、利回りについて厳密に比較するのは困難ですが、
- J-Reitの平均利回りは3〜4%前後
- 不動産クラウドファンディングの平均利回りは5%程度
と、平均に着目すると差は一目瞭然です。冒頭で示した表では平均ではなく、各銘柄の利回りを示しているのでご注意ください。
利回りで優れる理由としては、不動産クラウドファンディングが集中投資であることが挙げられます。
先程説明したように、J-Reitは様々な物件の寄せ集めのため、利回りの高いものも利回りの低いものも含まれます。
一方で、不動産クラウドファンディングでは利回りの高い物件ひとつに集中して投資する為、高利回りを実現できます。
値動きと流動性について
流動性とは現金化のしやすさを表す用語です。流動性が高い商品の代表例は上場企業の株式です。
J-Reitは証券取引所に上場されているため、日々の値動きがあります。買いたい時に買い、売りたい時に売れる流動性が非常に高い商品です。
一方で、不動産クラウドファンディングでは値動きがありません。つまり、投資した10,000円は投資が終わるまで10,000円(+分配金)の価値が保たれます。また、運用期間が終了するまで資金を回収することが出来ない為、リートと比べて流動性が低い商品と言えます。
ただし、最近では運用期間中に権利分を買い取ってくれる事業者もあります。手数料は掛かりますが、不動産クラウドファンディングの換金性を高める素晴らしいサービスだと思います。
ちなみに、上記の買い取りサービスは【COZUCHI(コヅチ)】 が実施しています。
元本割れリスクについて
J-Reitも不動産クラウドファンディングも投資商品である以上元本割れのリスクは存在します。ただし、その安定性には違いがあります。
J-Reitでは値動きがあることで短期売買による利益も狙えますが、元本割れしない為にはリートを購入するタイミングが重要となるのである程度の投資慣れが必要です。
例えば、最近だと2021年のコロナショックの際に東証リート指数は直近の高値2257円から1138円まで1カ月で50%近く暴落しました。
一方で、現物不動産の価値はリートなど有価証券のように上下しない為、不動産クラウドファンディングのファンドは同時期にもほとんど影響を受けませんでした。
安定性は不動産クラウドファンディングの方が優れていると言えます。
税制について
適用される税制はJ-Reitの方が有利です。J-Reitは株式と同じで申告分離課税の対象であり、分配金についても申告分離課税が選択できます。つまり、利益の額に関わらず20.315%の税率で税金が徴収されます。
一方で、不動産クラウドファンディングの利益は雑所得として扱われる為、総合課税の対象となります。総合課税では所得に応じた税率が適用されます。一般的に、申告分離課税の場合よりも高い税率が適用されると考えていいでしょう。
ただ、雑所得が20万円以下の場合は確定申告が必要ない為、リートでもクラウドファンディングでも大差はありません。1000万円以上の資金を活用する場合を除き、そこまで気にする必要はないでしょう。
不動産クラウドファンディングの税制についてはこちらの記事もご参照ください。
まとめ
本記事では、J-Reit(リート)と不動産クラウドファンディングの徹底比較を行いました。
J-Reitは流動性の点でクラウドファンディングに優り、値上がり益も期待できますが元本割れのリスクも高い特徴があります。つまり、J-Reitは投資慣れが必要な商品と言えます。
不動産クラウドファンディングは利回りが高く、元本割れリスクが小さいのがメリットです。税制や流動性の低さは難点ですが、初心者でもチャレンジしやすいのが不動産クラウドファンディングです。
評価項目 | J-Reit | 不動産クラウドファンディング |
必要資金 | 数万円から50万円以上 | 1万円 |
利回り | 0.5〜6.0%程度 | 3.0〜10%程度 |
値動き | 日々変動 | なし |
投資対象 | 各Reitに含まれる物件全て | 1つの物件 |
税制 | 申告分離課税 | 累進課税 |
流動性 | 高い | 基本低い |
元本割れリスク | 高い | 低い |
まとめ | 投資慣れが必要 | 初心者にも最適 |
J-Reitと不動産クラウドファンディングの良し悪しをしっかり比較して自分に最適な手法を選びましょう
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